続きだよ〜



らんるはあの出来事以来、必要以上に幸人を意識してしてまっていた。
あの事は事故にでもあったのだと思うようにしてもあの激しい感覚と優しいぬくもりは唇は覚えいている。
らんるは必要な時以外できるだけ幸人に係わらない様に心がけた。
しかし、らんるの視線は幸人を無意識に追っていた。気づくと視線の中には幸人がいる。すぐに視線と外す。それの繰り返し。
らんるは自己嫌悪に陥っていた。

夜、店が閉店した後、らんるは一人カウンターで物思いに耽っていた。誰もいないのを確かめてらんるは大きなため息をつく。

「はあああああ」

らんるは背中を丸め、俯いた。

「どうしたの、らんるちゃん」

背中からの凌駕の声にらんるは驚き背筋を伸ばし、振りかえる。

「う、ううん。ちょっと疲れただけ」
「そう、ならいいんだけど・・・」
「だけど何?」

らんるは小首をかしげて尋ねる。

「三条さんの部屋に行って以来何か変だから」
「そっ、そうかな?そんなことないよ、ほんとちょっと疲れただけだから」

らんるは笑顔で必死にごまかした。凌駕は腑に落ちない様子ではあったが、らんるにそれ以上追求はしなかった。

「じゃあ、早く寝よう」

凌駕はらんるの腕を取り、立ち上がらせる。そしてくるりとらんるの身体を奥へと向かせ、 肩を押す。
らんるは苦笑しながら『はいはい』と凌駕にされるがままに奥へと消えていく。

そんな2人の会話を見えないところで腕組みをしながら聞いていた幸人は、表情を変えず奥へと消えていった。


・・・・ぴんぽん・・・・

風呂から上がり、ミネラルウォーターを飲みながらくつろいでいたらんるはこんな夜更けに誰だろうと思いつつ、玄関に声を掛ける。

「どなた?」
「・・・・・俺だ」

らんるの表情が一気に曇る。自分を追い詰めている男の声。

「どうしたの?」

らんるの声はいつもより低く、静かなものだった。

「話がある、それにおまえも俺に話があるんじゃないか?」

何時もと変わらない幸人の声。らんるの気持ちを逆撫でするようだった。 「話なんか無い!」

らんるはドアの向こうの幸人に怒りをぶつける。幸人は動じず、淡々とした口調で話す。

「自分の気持ちを押さえ込むな」
「押さえ込んでなんか無い」

らんるは勢いよくドアを開けて幸人に言う。幸人はらんるの腕を掴み、彼女を押し戻しそのままずかずかと玄関へと入る。

「ちょっと離して」

幸人は手を離さないまま、ドンとらんるを壁に押し付ける。らんるの目には恐怖の色が漂う。幸人は無表情のまま。

「・・・離して」

らんるの目に涙を溜め、俯く。幸人は『ふうー』と溜息交じりの息をして、手を緩める。

「俺は自分の気持ちをお前に伝えた。返事なんて期待なんかしていない。
だが俺は伝えた、 凌駕やアスカにお前を取られるのが嫌だからな。自分に正直になっただけだ」

初めて幸人はらんるに心内を話した。今まで誰にも心を開かなかった幸人が・・

らんるはどう応えていいのか少し困惑した。自身の心がまだ自身でわかっていないのに・・・

幸人は俯いているらんるの顎を上げ、自身の唇を彼女の唇にあてがう。
先日の口付けとは違い、荒々しさはなくただただ優しい口付け。
あの優しいぬくもり・・・らんるの目からはらはらと涙が零れる。らんるは気付かされた。
自分が求めていたのはこのぬくもりだと。

幸人はそっと唇と手を外し、親指でらんるの涙を優しく拭う。

「今わかった、正直に言うよ。あなたが好き」
「最初から解っていたさ」

今度はどちらとも無く口付けを交わす。




幸人vらんる同志の方に読んでもらったら、『ただ、いちゃついてる』といわれてしまいました。
やっぱりそうなのかな〜