仲間としてじゃなく・・・


凌駕がトリノイドによって異次元に飛ばされ、一週間後一緒に飛ばされた人々の力で元の次元に戻り、ずっと眠っていたアスカも目覚めトリノイドを倒した。
その夜、恐竜やではささやかな宴が催された。といっても凌駕が作った料理だが・・・。

「やっと、まともな料理が食えるか」

幸人のその言葉にカチンと来たらんるは反論する。

「失礼ね。いつも食べてたじゃない!!」
「食う物が無かっただけだ」
「もーーーー」
「まあまあ、仲良く食べましょ」

何時ものように凌駕が2人の間に割って入る。
その光景を他の3人、アスカ・舞・笑里が笑顔で見てる。
何時もの恐竜やに戻ったことを皆一様に喜んでいた。


料理もあらかたなくなった頃、夜も更け、舞がさすがに眠くなってきたのか身体をふらふらと揺らし始めた。
それに気付いた凌駕はそっと舞の身体を抱きかかえ、立ち上がった。

「舞ちゃんがこのような状態なので、今日はこれで失礼しますね」

そのまま自分の部屋をと戻っていった。
残った人々は納得した笑顔で凌駕を見た。
笑里を明日はテストがあるからと家へと帰っていき、残った三人はテーブルの上を片付け始める。
一生懸命に動くアスカの手をらんるは掴む。アスカは驚いた表情でらんるに視線を向ける。
そこには優しいらんるの笑顔があった。

「アスカさん、まだ本調子じゃないんだからいいですよ。もう休んでください」
「え、でもそれでは・・・・」
「大丈夫ですよ、ね、幸人さん」

らんるは幸人に視線を向け、笑顔で同意を求める。
幸人はその表情にうろたえたものの、決して表には出さず何時もの調子で答える。

「ああ」
「でも・・・」
「幸人さんもああ言っているんですから、ね」
「では失礼します」

アスカは申し訳なさそうに店を後にした。アスカを見送ったらんるは腕まくりをして、

「さあ、とっとと片付けちゃいましょう!!」

と元気よく食器を洗い始める。幸人はそんならんるを見てふっと鼻で笑い、食器を拭く。


片づけも終わり、カウンターで2人並んで座りコーヒーを飲んでいた。
らんるはミルク多目のコーヒーを一口飲んでふーっと溜息をする。

「良かったね、凌駕さんが戻ってトリノイドは倒せたし舞ちゃんに笑顔が戻って」
「そうだな」
「それにアスカさんも目覚めたし・・・」

幸人は一口ごくりとブラックコーヒーを飲み、らんるに尋ねる。

「そんなに嬉しいか?アスカが目覚めて」
「うれしいよ、一緒に戦う仲間としては。幸人さんもそうじゃない?」
「ああ、そうだな。・・・・一つ、聞いてもいいか?」
「何?」
「もし俺が凌駕みたいに一週間いなくなったら・・・」
「いなくなったら、すごく心配するよ・・・きっと凌駕さんよりも心配する。
仲間としてじゃなくて・・・。どんな事をしても探し出す。」

らんるは真面目な表情で幸人を見詰める。
幸人もコーヒーを飲むのも忘れ、らんるを見詰める。
2人は見詰め合う。しばらくたって、らんるが笑みを称えながら口を開く。

「ねえ、幸人さん。もしあたしがアスカさんみたいにずっと眠ったままだったら・・・」
「・・・・アスカより心配する。仲間としてじゃなく・・・お前を起こすためにどんなことでもする」

幸人は傍らにあるらんるの白い手に自分の手を添えて、ぎゅっと握る。
らんるはその言葉と行動に小さく笑い、幸人の肩に頭をもたれ、小さな声で呟く。

「ありがとう。うれしいよ」
「俺もだ」

幸人も小さな声で呟く。らんるはその幸人の言葉を聞いて嬉しいそうに目を閉じる。

しばらくの間、二人で過ごせたわずかな時間をらんるは幸人の肩で自分の胸に刻む。




第9話の後日談として書きました。
ほんとは夫婦の一週間を書こうと思いましたが、思いつかなくてパス(おい)
まぁ、こんなもんで許してください(汗)