雨2


幸人が凌駕と話している頃、らんるは電気も点けないまま、ただじっとベッドの上で膝を抱えて座っていた。
時折、カーテンの隙間から見える月をぼんやりと眺め、朝から降っていた雨がやんだのだと認識していた。
らんるは手首に視線を持ってくると赤くなっていた。赤くなった場所をそっと指で撫でると、らんるの目からは大粒の涙が自然と零れてきた。
今日はいったい何回泣いただろう・・・。ショックだった・・・・。
あんなに怖い幸人を見るのは初めてだった。
『俺を煽るな』その言葉の意味をらんるは取りかねていた。
自分としては煽ってるつもりなどさらさらないのに・・・
らんるはある決心をしてベッドから降りる。そして着ていたジャケットを脱ぎ始めた。



凌駕が訪れた後、幸人はらんるの部屋の前に立っていた。幸人は部屋の呼び鈴を鳴らす。

・・・ぴんぽん・・・・

しかし、反応がない。幸人はもう一度鳴らすがやはり反応がなかった。

幸人は妙な胸騒ぎを覚え、扉ののぶに手を掛ける。

・・がちゃ・・・

扉には鍵が掛かっておらず、幸人は部屋の中に入る。その部屋は電気もついておらず、誰もいなかった。

視線を落とすとテーブルの上には手紙とジャケットが置いてあった。

『お世話になりました』とただ一言書いてあった。

幸人はその手紙をぐしゃりと握りつぶし、らんるを捜す為、慌てて部屋を出て行った。



・・・・雨がまた降ってきた。

らんるは濡れていることも気にせず、恐竜やからさほど遠くない公園のブランコに座っていた。
最初、福岡に戻ろうかと思ったが、自分がアバレンジャーである以上東京は離れなれないと考え直した。
しかし、行くあてがあるわけでもなく、歩いている途中で見つけたこの公園にきていた。
なぜか自分の愛車であるバーディを持ってこなかった。心の中で捜して欲しいと思っていたからかもしれない。
そんなことを思いながら、らんるはふっと小さく笑う。

「寂しいよ、寂しいよ。一人じゃ・・・」

らんるは雨で涙が流れるように天を仰ぐ。



その頃幸人はらんるを見つける為街じゅうを捜し回っていた。

「らんる、どこだ。」

己の欲望の為に傷つけ、出て行ったしまったらんるを捜す為だったら雨に濡れるぐらいどうってこと無いと思った。
らんるが出て行ったことで初めて幸人は気付いた。自分にはらんるが必要なことが。



しばらくして、幸人は公園の前をきていた。その公園に入ろうとしたとき、幸人はブランコに座って天を仰いでいるらんるを見つける。
幸人はその姿にほっと胸をなでおろす。
そして幸人はらんるに近づきながら、声を掛ける。

「ここにいたのか」

らんるはその声にびくりと身体を揺らし、幸人を見た。
そしてブランコから立ち上がると幸人から逃げようとする。
幸人はそんならんるの腕を掴み、自分の方に引き寄せ抱きしめる。

「いや、やめて、放して」

らんるは強く抱きしめられた腕の中で抵抗を試みる。幸人は宥めるように

「良かった、無事でいてくれて」

とらんるの耳元で囁く。その甘い声でらんるの腕は力が抜け、だらりと下に落ちる。

そして、らんるはおずおずと幸人の腰あたりを腕を回した。らんるは声を出して幸人の胸の中で泣いた。
幸人はただ無言でその涙を受け止めた。

2人は雨の中、しばらく間、ただ抱き合っていた。



雨がやんだ頃2人は幸人のベッドでうまれたままの姿で抱き合って眠っていた。

公園かららんるを連れ戻した幸人は自分の部屋にらんるを連れてきた。
ところが部屋に入ったとたん、らんるは幸人に倒れこんだ。冷たい雨に長い時間あたっていたせいで体力を相当消耗しているらしい。
それに身体も冷え切っていた。らんるの顔を見ると桜色の唇が紫に変わっていた。
慌てて幸人は自分の服を脱ぎ、らんるの服も脱がせ、生まれたままの姿になる。だらりとしたらんるの美しい身体をそっと抱き上げ、自分のベッドへと運ぶ。

「・・・さむい・・」

らんるの身体はがたがたと震えだす。

「今、暖めてやる」

幸人はベッドの中で冷え切ったらんるの身体を自分の身体で抱き込む。そしてらんるの額にそっと口付けを落とし、

「安心して寝ていろ」

らんるはこくりと頷くとまるで子供のようにあどけない寝顔で深い眠りについた。幸人も最初こそ心配で眠ることなどは出来なかったが
暖かさが戻ったらんるの寝顔と体温の暖かさで深い眠りについた。



空が白む頃、幸人は目を覚ます。そして自分の胸の中でまだ眠っている眠り姫の髪の毛をそっと触りながら、呟く。

「あの時は悪かった。」
「じゃあ、二度とあんな事しない?」
「ああ、うん?」

幸人は視線を落とすと胸の中で今いる自分の姿に頬を赤らめ、にっこりと笑ったらんるが自分を見上げていた。

「・・・もういくね、ありがとう」

らんるが恥ずかしそうにベッドから起き上がろうとすると腕を引っ張られ、また幸人の胸の中に納められてしまう。

「もう少し一緒にいてくれ」
「変なことしない?」
「保証は出来ない」
「どうしようかな?」

らんるは上目遣いで幸人を見る。幸人は小さく笑い

「おまえだってまだ居たんだろ?」
「ふふふ、ばれたか。でもHはなし」
「わかった。キスならどうだ?」
「キスならいいよ」
「よし」

幸人はらんるに覆い被さるように体制を変えると唇へとキスを落とす。
そして唇を外すとらんるの美しい身体を見る。

「・・・・そんなに見られたら恥ずかしいよ」

らんるは頬を一層赤らめる。幸人は小さく笑い

「やっぱり俺を煽ってるな」

「もう、そんな事ないって」

「俺のこと好きか?」

「うん。幸人さん、私の事好き?」

「これが答えだ」

といって、また唇にキスを落とす。。

そしてそのまま首筋、胸、お腹へと徐々に下へとキスを落としていく。

らんるはキスの行方に慌てて

「幸人さん、Hは無しって言ったでしょ」
「ああ、キスだけだ。それ以上のことは何もしない」

幸人は不敵な笑みを称え、答える。らんるは甘いキスの嵐に耐えながら大きな声で言う。

「もー幸人さん、大嫌い」




何が書きたかったんだろう?最初こそ黒く書いていたのに・・・
最後は砂を吐くほど甘くなってしまった・・・
裏一歩手前で止めたつもり・・(おい)