誰も知らない彼
昼間、戦っている時の彼はかっこいいと思う。そんな彼が好き。
でも誰も知らない、あたしだけが知っている彼もあたしは好き。
・・・ぴんぽん・・・・
彼が決まった時間にあたしの部屋にやってくる。部屋を見回す。準備O.K.
玄関を開けると彼が怒ったような顔で待っていた。あたしはこんな彼を最上の笑顔で迎える。
「さあ、入って♪」
彼は何も言わず、どんどん部屋に入ってテーブルの所でクッションを抱いて座る。
・・・クッションを抱く・・・嫌な事があった時の彼の癖。
あたしがそっと彼の横に座ると、彼は必ず頭をあたしの膝の上に乗せ、あたしを見上げる。
「どうしたの?」
彼の髪をそっといじりながらこう聞くと、やっと彼は口を開く。彼の愚痴を話半分で聞く。
全部聞いてたら、こっちまでいやな気分になっちゃう・・・。
彼は言いたいことが言い終わると、甘えん坊になる。
「らんる〜 お水飲ませて〜」
あたしは彼の口にペットボトルの口を付けると横を向いてしまう。
「どうしたの?お水飲むんでしょ?」
「やだ」
「じゃあ、どうしたらいいの?」
あたしは彼の膨れた頬をつついてみる。まだ彼はこちらを見ない。
「ゆ・き・と・く・ん。どうすればいいのかな?」
あたしは彼の機嫌を取る。彼は顔を見せないまま
「チューで飲ませて」
と言ってくる。あたしはくすりと笑い
「じゃあ、こっち向いてください」
彼がこちらを向くと、あたしは水を口に含み、そのまま彼に口移しで水を流し込む。
彼はその水をごくりと飲んで
「おいしい」
とあたしに最上の笑みを見せる。あたしはそんな笑顔が見たくて
彼が嫌がるまで何度も同じことをしてしまう。
あたしは拗ねた彼が見たくて意地悪を言ってみる。
「ゆきとくん、今日は一人でお風呂入って」
あたしは一緒にテレビを見てた彼に声を掛ける。彼はその言葉で一気に不機嫌モードになる。
「やだ」
彼を見てさらにあたしは意地悪を言う。
「たまには一人で入りなよ」
「・・・・・・・」
今度はあたしに背を向け黙り込んでしまった。かなり、拗ねてしまったらしい。
あたしはくすくすと小さく笑いながら
「う・そ」
後ろから彼の耳元で囁く。怒ったのか彼はあたしの方に振り返ると、あたしを押し倒す。
「意地悪を言った罰」
彼はそう言ってあたしに息も出来ないくらいの長く深いキスをくれた。
あたしは昼間の彼、夜の彼、どちらの彼も大好き・・・
『ムコ殿』をチラッと見て、幸人さんもこんな風だったら面白いなっと書いてみましたが・・
甘えた感じを出したかったんですけど・・・・
こんな幸人さんやっぱり変だわ