みんなの夏休み
ここは避暑地の豪勢な別荘の前。
幸人に連れてこられた凌駕・らんる・アスカ・舞はただ呆然と別荘を見上げていた。
連れて来た幸人は隣に住んでいる別荘の管理人を連れて来て別荘の鍵を開けさせていた。
「すごいですね、三条さん!!」
「私達本当にここに泊まっていいの?」
「ああ、あいつの物だが断ることもないだろう」
鍵が開くと管理人は幸人に鍵を渡して戻っていった。幸人は扉を開けて明かりをつける。
4人の目の前には豪華としか言いようない調度品などが飾ってあり、皆きょろきょろするばかりだった。
そして舞がリビングへとつながる扉を開けると窓越しに大きなプールが見えた。
舞は眼を輝かせて、走って窓にへばりつく。
「りょうちゃん、プールがある♪」
「ほんとだ、舞ちゃん。後でみんなで入ろう!!」
「うん!!」
幸人はみんなの後ろから声をかける。
「部屋は十分にある。自分の好きな部屋を使え」
と言って部屋に出て行ってしまった。取り残された4人は顔を見合わせて
「好きな部屋を使えていわれても・・・・」
「・・・だよね・・・・」
「とりあえず見てみましょう」
4人は部屋を扉を開けて部屋を見てみた。
最初の部屋を開けるとそこにはキングサイズのベッドがあり、全体的にやわらかい雰囲気だった。
舞はその部屋を見るとすぐに眼を輝かせてベッドに向かって走って行った。
「りょうちゃん、このお部屋にしよう!!」
「そうだね、舞ちゃん。ベッドも大きいから一緒に寝れるね」
「うん!!」
凌駕が笑顔で言うと舞は笑顔で答えた。
「じゃあ、ここは凌駕さんたちに決定!!」
「らんるさん、私達は他の部屋に行きましょう」
「そうね。じゃ、凌駕さん、舞ちゃん、水着に着替えてプールに集合ね」
「わっかりました」
らんるとアスカは手を振って扉を閉めた。残った二人は次の部屋の扉を開けた。
その部屋は先ほどに比べたらこじんまりとして全体的に落ち着いた雰囲気の部屋でセミダブルのベッドがあった。
「らんるさん。この部屋、私が使っていいでしょうか?」
「どうぞ、じゃあここはアスカさんね!!じゃ、アスカさん後で」
「わかりました」
らんるはその部屋を出て行った。
らんるはひとり部屋を探して廊下を歩いていた。
そこにすでに水着に着替え白いシャツを羽織った幸人が
らんるの前にやってきた。
「なんだ、まだ部屋を決めてないのか」
「そんな事言わないでよ。幸人さん一人でさっさと部屋に行っちゃうから・・・」
幸人は頬を膨らませているらんるの手を取り、無言で引っ張っていった。
「ど、どこに行くの?」
幸人は部屋の扉を開けてらんるを中に入れる。らんるが中を見るとそこには天蓋ベッドがおいてある部屋だった。
見る見るらんるの表情が驚きから喜びに変わり天蓋ベッドに倒れこむ。
「こんなベッドで寝てみたかったの!!お姫様になった気分!!」
「じゃ、この部屋でいいな。早く着替えて来いよ」
幸人は寝ているらんるに背を向けたまま、部屋を出ていった。
「あ、そうだ早く着替えなくちゃ・・・」
らんるは自分の荷物から今日のために新調した水着を取り出し、着替え始めた。
「ごめーん!!遅くなって・・・」
すでに水着に着替えて集合している4人の所に白い薄手のパーカーを来たらんるは走ってきた。
「これで集合しましたね」
「じゃあ、プールで遊ぼう!!」
「「「オー!!」」」
プールサイドにはパラソルとデッキチアーが5つ置いてあった。
早速、アスカ・凌駕・舞は羽織っていた服を脱ぐと水しぶきを高々と揚げプールに飛び込んだ。
幸人は彼らを見ながらデッキチアーに座ると、らんるの恥ずかしいそうな声がする。
「幸人さん、どうかな?」
幸人は声の方へ顔を向けるとそこには白い肌に映えるオレンジ色の紐で結ぶビキニを着たらんるが立っていた。
らんるを見て幸人は赤面しすぐに顔を背ける。らんるは幸人の顔を覗き込む。
「ねーどう?」
「・・・・・」
「ねーってばー」
幸人は俯いたまま何もしゃべらない。らんるはあきらめたらしく「ぷー」っと頬を膨らませて他に3人がいるほうへ
行ってしまった。
「あんな格好じゃまともに見ることができるわけないだろ・・・」
他の3人と笑顔で話しているらんるを見て、幸人は呟いた。
しばらくして寝ていた幸人は、身体が宙に浮くのを感じる。
幸人は慌てて眼を開けて
何が起きたかと顔をきょろきょろと周りを見回す。
幸人はアスカと凌駕が自分を持ち上げているのに気付き、つい大声になる。
「お、おい!!お前らなにをするんだ!!」
アスカと凌駕は顔を見合わせるとにやりと笑う。
「決まってるじゃないですか、三条さん!!」
幸人を持ち上げた二人はプールサイドに立つと
「「せーの」」
幸人をプールにほおり投げる。
・・・バシャーーーーン・・・
幸人が水から顔を上げるとみんなが集まって大笑いしているのが見えた。
「おまえらなーーー!!」
幸人が大声で言いながらプールサイドへ向かって泳ぎ始めると、プールサイドでは騒がしくなっていた。
幸人は泳ぐのをやめてプールサイド見てみると、今度はらんるがアスカと凌駕に持ち上げられていた。
「きゃーーー、何するの!!」
「当然・・・」
らんるは二人にほおり投げられた。
幸人はらんるをよけてプールサイドに座っているとらんるより先に浮かんでくる物体が見えた。
よく見てみるとそれは・・・・らんるのビキニの上。
凌駕・アスカ・幸人はそれがなにか確認できたらしく、唖然としていた。
そのうち、らんるが水から笑顔で顔を上げる。どうやら自分に起きた状況がわかってないらしい・・・
らんるは他に3人に手を振って笑っている。しかし3人の視線が自分の顔より下に行っている
ことに気付いて、自分もその視線を追って下を見ると・・・ビキニが外れているいる事にやっと気付く。
・・・うそ・・・
らんるは自分の胸と3人の顔を交互に見る。
「いやああああああああああああ」
らんるは胸を両手を組んで隠すと水の中に潜ってしまう。
凌駕は横に立っていたアスカに肘打ちをし
「見ちゃいました?」
「ええ、凌駕さんは・・・?」
「見ちゃいました」
凌駕とアスカは座っている幸人に
「「見ましたよね・・・」」
「ああ、あれで見ないほうがおかしい」
「「ですよね・・・」」
夜になり、先ほどのプールの脇でバーべキューが始まった。
お酒が少し入り機嫌がいい3人に比べ、らんるは不機嫌だった。
そんならんるを見かねた幸人は焼けた肉や野菜が載った皿をらんるに差し出す。
「まだ気にしてるのか」
「気にしてなんかいません!!」
差し出された皿を幸人から奪うように取ると、載っているものをむしゃむしゃと口に入れていった。
「ぷっ・・・」
「何がおかしいのよ!!」
「いや、わかりやすいなと思って・・・」
「ほんとわかりやすいですね、らんるさんは・・・」
「ほんと、ほんと」
離れた所から見ていた凌駕とアスカが笑いながららんるに話しかける。
らんるは話しかけた二人をにらみつける。
「二人があんなことしなかったら、不機嫌なんかになりません」
「もう、何度も謝っているじゃないですか」
「もう、許してやれ。らんる」
幸人はらんるの頭をぽんぽんと叩く。
「わかったわよ。いっぱい食べてやるんだから。アスカさん、凌駕さん、どんどん焼いてよ」
「「了解しました。お姫様」」
アスカと凌駕は気を付けをして返事をすると、みんなは大声で笑った。
夜も更け、それぞれ自分の部屋に戻ってくつろいでいた。
しかしらんるはなれないベッドに寝付けず
プールサイドにあったデッキチアーに座って満天の星空を見上げていた。
「眠れないのか」
後ろから声がかかり顔を向ける。そこにはやさしい笑顔の幸人がいた。
「うん、ちょっとね。ねえ見て、満天の星だよ」
横に座った幸人にらんるは空を見ながら話しかける。
「東京じゃ見れないな・・・」
「ほんとに・・・」
幸人は夜空を見上げているらんるの横顔を見て、ひとつ咳払いをする。
「なあ、らんる・・・さっき言い忘れた事が・・・」
「なあに?」
幸人の視線にらんるは視線を絡める。
「・・・水着、似合ってたぞ・・・」
らんるはくすっと笑って
「やっぱりー!!自分でもなかなかだと思ってたんだ」
「自分で言っていれば世話ないな・・・」
二人は顔を見合わせてくすくすと笑いあう。
笑いが収まると再び二人は夜空を見上げた。
そして幸人は立ち上がると上を向いているらんるの唇にキスを落とす。
「眠れないなら、一緒に寝てやるぞ・・・」
「すけべ・・・」
らんるは立ち上がると『ちゅっ』と音を立てて幸人にキスをする。
幸人はにやりと笑ってらんるの腰に手を回す。
「行こうか・・・でもこれじゃ眠らせられないな・・・」
「・・・あのベッドに見合うようにお姫様みたいに抱っこしてね」
「ああ、わかった。らんる姫・・・」
久々の静かな夜。
満天の星空を見上げ、凌駕は小さな姪の寝顔に遠い未来を想い、アスカは胸の写真を見詰めながら
恋人との過去に想いをはせる。そして恋人達は想いを通わせる。
静かな夜はこうして更けていった・・・。
《おまけ》
「ねえ、どうしてあの部屋を選んでくれたの?」
「あの部屋が俺の部屋と中で繋がっているんだ」
「ふーーん・・・・え?繋がってるの?」
「そうだ・・・」
「と言うことは・・・・」
「そうだ、誰にも知られずにお前と・・・」
「ほんとにスケベなんだから・・・」
「すぐにわかったお前もな」
「幸人さんの意地悪・・・」
幸人さんの実家は絶対に別荘を持ってると思い込んで書きました(笑)
らんる嬢の水着は映画でえみぽんが着ていたような三角ビキニを想像してね