幸人がらんるをかばって・・
無我夢中だった。俺達ははトリノイドと戦い、苦戦を強いられていた。
俺が雑魚を片付けている時、らんるはトリノイドに追い詰められた。
・・・まずい、らんるが危ない・・・
と思った瞬間、身体が自然と向かっていた。トリノイドが剣を振りかざした時、俺はらんると
トリノイドの間に滑り込み、十分に受ける体制をできないまま背中にその剣を受けた。
その瞬間、何もわからなくなった。ただ、目の前のらんるの姿が霞んでいく。
遠くの方で俺の名を呼ぶらんるの声を聞きながら、目の前が真っ暗になっていった。
「幸人さん!!」
あたりにらんるの悲痛な叫びが響く。トリノイドを倒した凌駕とアスカがすぐに駆けつけた。
すでに変身が解除されて倒れている幸人を変身を解除したらんるが抱き起こそうとしていた。
らんるが幸人の身体に触るとぬるっとした感触があった。らんるは自分の手を見るとその手は
鮮血で真っ赤になっていた。らんるは顔面蒼白になり
「いやああああああ」
だらりとした幸人の身体を抱きしめた。
幸人はすぐに病院に運ばれ、手当てを受けた。
幸いに急所ははずれ、たいしたことはないとのことだった。
しかし、すぐに返してもらえるほどではなく、入院を余儀なくされた。
病室に移された幸人は麻酔の為、眠っていた。
他の3人は何もしゃべらず幸人を見守っていた。沈黙の時間が過ぎていく。
それに耐えられなくなったのか、らんるは病室を出て行ってしまった。
凌駕はアスカに幸人を頼み、らんるの後を追い病室を出た。
凌駕は廊下に座って俯いているらんるの横に座り、肩に手を置く。
「・・・大丈夫?らんるちゃん」
「・・・うん、でも怖い・・・」
「怖い?」
「そう、怖いの・・・このまま幸人さんが眼を覚まさないじゃないかと思うと・・・」
らんるはそう言うと唇に手を当て、嗚咽を漏らす。
凌駕は慈しむようにらんるの肩を抱き、優しく声をかける。
「三条さんはそんなやわじゃないよ。絶対に眼を覚ます。
そのことはらんるちゃんが一番良くわかってるでしょ」
らんるは凌駕の言葉に無言で頷く。
・・・ばたっ・・・
病室の扉が勢いよく開くと中からアスカがでてきた。凌駕とらんるは立ち上がる。
「凌駕さん、らんるさん!!幸人さんが・・・」
アスカの言葉にらんるは凌駕の腕を掴み、何があっても耐えようと構える。
「眼を覚ましました!!」
凌駕は両手を挙げ喜び、らんるは気が抜けたように後ろの椅子に座り込む。
凌駕は後ろを振り向き満面の笑みでボーっとしてるらんるの腕を取り立ち上がらせる。
「らんるちゃん、早く三条さんの所へ。さ、早く!」
らんるはまだ身体に力が入らず凌駕に腕を抱えてもらい、アスカが開けてくれた扉の向こう側に入っていった。
・・・ぱたん・・・・
薄暗い病室の中に入ると幸人がベッドに寝ていた。らんるはゆっくりとベッドのそばに近づく。
らんるがベッドの側に座ると気配を感じたのか幸人はゆっくりと眼を開け、らんるを見る。
「・・・幸人さん」
らんるは笑顔で幸人の手を握り締め、その手を自分の頬に当てると自然と涙が零れる。
幸人は握り締められた手を外すと、親指でらんるの涙を拭う。
「・・・怪我はなかったか」
らんるは幸人の言葉に小さく笑い
「大丈夫、幸人さんが庇ってくれたから・・・」
「・・・・良かった・・・」
幸人は安堵したように眼を閉じる。
「・・・よくないよ」
らんるは低い声で幸人に言う。幸人はらんるの言葉に驚き、ゆっくりとらんるの顔を見る。
「・・・なぜだ?」
「幸人さんが眼を覚まさなかったらって・・・・ずっと心配してた。もう、そんな思いするのいや」
「・・・ばかだな、おまえ。お前を置いて逝ける訳ないだろ。安心しろ・・・」
「・・・ほんと?」
「・・・ああ、本当だ」
「・・・約束だからね」
らんるは幸人の手を改めて握り締める。
「・・・約束する」
幸人はらんるの手を握り返し、眼を閉じる。
「幸人さん、少し寝て・・・外に行くから・・・」
らんるは立ち上がり席を離れようと手を外そうとするが幸人は手を離さなかった。
「・・・眼を覚ますまで傍にいてくれ」
らんるは小さく笑うと椅子に座りなおす。
「・・・ずっと傍にいる、幸人さんがいやって言うまでずっと傍にいるからね」
「・・・・長くなるな」
幸人はため息混じりに言うと眼を閉じた。
幸人が退院したのはそれから3日後だった・・・
今回は幸人さんがらんる嬢をかばって怪我をするという話
らんる嬢が怪我をするっている話が多いかなと思って逆バージョンで