運命の鎖


闘いが終わって、半年後恐竜やで同窓会が開かれた。

久しぶりに会うみんなの顔。
激動といってふさわしい一年を共の暮らした仲間の顔はどれも懐かしい。
特に・・・。

闘いが終わって直ぐに俺とらんるはそれぞれの夢に向かって別れた。
その時は後腐れなく別れた・・・・つもりだった、同窓会であいつに会うまでは。

久しぶりに会ったあいつは髪型を変え、一段ときれいになった思う。
俺はあいつから目を離せなくなっていた。

食事も終わり、俺達は久しぶりに自分達の部屋に泊まることになった。
が、あいつは立ち上がり杉下のおっさん挨拶していた。

「介さん、私、帰ります。明日も朝からサーキットで練習しなくちゃいけないんで・・・」
「そうですか・・・残念ですね・・・・」

それを聞いた舞は直ぐにあいつの側に駆け寄った。

「らんるちゃん、帰っちゃうの?」
「うん、舞ちゃん。せっかく会えたのにね。私はきっと日本を離れないからいつでも逢いに来てね」
「今度、りょうちゃんと見に行くね」
「絶対来てね」

そういうと、あいつは舞の頭をなで、俺と今中の所にやってきた。

「じゃ、えみぽん、幸人さん。私はこれで・・・」
「帰っちゃうんですか?今日ぐらい・・・」
「ううん、私はまだまだだから頑張んないと・・・」
「そうですか?らんるさん元気で・・・」
「うん、幸人さんをよろしくね、優秀な秘書さん」

あいつは今中にそういうと俺の方に向きを変えた。

「幸人さんも元気で・・・」
「・・・ああ」

それだけ言うと彼女は店を出て行った。
俺の心の中には一抹の寂しさだけが残った。



次の日の朝・・・。

店に下りると、すでに今中は起きていた。

「先生!おはようございます!」

俺は昔のように直ぐにカウンターに座りおっさんが入れてくれたコーヒーを飲む。

「先生、今日の予定なんですが・・・」
「悪いが今中、今日と明日の予定はキャンセルしてくれ」
「先生?」

手帳をめくっていた手が止まり、驚いた表情で俺を見る。

「いいな、キャンセルだ」

俺はそのまま店を出て行った。



私はサーキットを走っている。
何もかも忘れさせてほしいから。
走っている時は余計なことを考えなくて済む。

昨日、同窓会に行って楽しかった・・・・でも行くんじゃなかった。
あの人の顔を見てあの時の想いがこみ上げてきたのは事実。
でも、あのえみぽんの甲斐甲斐しさを見てしまって、心が押しつぶれそうになった。
だから・・・・逃げた・・・・。
そう、私はあの場所かからこの想いから逃げたんだ・・・。

何回が周回した後、ピットに入れ車を降りた。
シャワーでも浴びてすっきりと忘れようと思いながら、ヘルメットを脱いだ。
その時だった・・・あの人の声が聞こえた。

「・・・・らんる」



幸人とらんるは誰もいないサーキットの観客席で並んで座っていた。

缶コーヒーを暖に取りながら、しゃべることもなくただ走っている車を見つめていた。

「・・・・なぜ、帰ってしまったんだ」
「・・・・」
「・・・・なぜ」
「あんな姿見せられたいられない」
「あんな姿?」
「えみぽんが幸人さんの世話を一生懸命焼いているところ」
「馬鹿か・・・あいつは秘書だぞ」
「ううん、えみぽんの目を見てわかった。彼女は幸人さんが好き・・・」

そういいえるとらんるはコーヒーを一口飲む。

「なんかあの時邪魔者のような気がして・・・」
「・・・・」
「・・・・だから逃げてきちゃった」

らんるは寂しげな笑顔で幸人に話す。

「確かに今中は優秀な秘書だ。でもそれ以上の感情はない。お前以上にはなれなんだ」

幸人の言葉にらんるは彼を見つめる。

「・・・・昨日お前と逢って、やっぱりお前じゃなければだめなんだ」
「・・・・・」

らんるは俯き、肩を震わす。

「・・・・どうした?らんる」
「・・・・私も・・・・私も昨日逢ってわかったの。幸人さんがいなくちゃだめなんだって」
「・・・・・・らんる」

二人はどちらともなく口付けを交わした。
お互い求めていた物・・・。



俺達は激しく貪るように求め合った。
今までの想いをぶつけるかの様に・・・。

らんるの身体、瞳、口、そこから漏れる甘い声・・・・何もかも愛しい。
幸人さんの身体、その瞳、その口、その声・・・何もかも愛しい。



俺達は一糸纏わぬ姿でベッドの中で抱き合っていた。

「・・・・幸人さん」
「ん?」
「また、海外に行ってしまうんでしょ?」
「・・・ああ」

「・・・また別れるんだね」

らんるの言葉に心が痛む。無理だろうと思うが聞いてみたい。

「・・・・一緒に来るか?」
「・・・ううん」
「・・・やっぱりな」

  俺は苦笑するしかなかった。
でももうこいつを手放す気はさらさらない。

・・・どうしたらいいんだ・・・

・・・だったら俺が・・・・・

俺は傍らに置いてあった携帯をかける。

「・・・・ああ、今中か・・・・
 日本に手ごろな場所を見つけておけ・・・そこに治療院を開く・・・」

携帯を置いた俺の顔を胸の中で聞いていたあいつは驚きの表情で見つめていた。

「・・・・幸人さん」
「・・・もうお前を手放さない」
「・・・私ももう幸人さんを手放さない」

らんるは嬉しそうに俺の胸に顔をうずめた。



・・・・俺達は運命の鎖で繋がれているんだ、誰もそれを解く事は出来ないぐらいに・・・・




昨日の放送を見て勢いで書きました。
幸らん同志皆様、これでいいよね?