付けなれない人がするとこうなります
「遅いっ!!」
今日は休日。
『どこか出掛けるか』って言った本人がまだ来ない。
"休日に2人っきりで出掛ける"・・・つまり、デートに行く約束をしたあたし達。
しかも今日が"初デート"だから、朝早くに起きて準備をしたのに・・・。
ネイルもお化粧もヘアスタイルも・・・
とにかく全てに気合いを入れまくって待ってるって言うのに・・・なのに、彼が来ないっ!!
「三条幸人のバカぁーっ!!!」
やばい・・・っ相当時間が掛かってしまった・・・。
今日は休日だし、『たまには2人っきりで出掛けるか』って話になって、午前中の内にあいつの部屋に迎えに行く約束をした。
なのに"コレ"を買いに行った為に、大幅に遅れて時間はすでに昼・・・。
「・・・らんるの奴、怒ってるだろうな・・・」
ピンポーン・・・
急いで駆け付けた幸人がらんるの部屋のインターホンを押すと、中の方でパタパタと駆け寄る足音が聞こえて来た。
ガチャッとドアが開いた瞬間の事、幸人の姿を確認するや否や、らんるの怒声が響き渡る。
「遅いよ幸人さんっ!!」
「悪い・・・どうしても欲しい物があってな・・・」
「"欲しい物"・・・?」
「コレをお前に・・・」
「あたしに?」
そう言って差し出したのは、可愛くラッピングされた小さな箱だった。
「開けていい?」
「あぁ」
中には1本の口紅が入っていた。
「昨日買いに行けなかったから朝から行ったんだが、それを選ぶのに結構時間が掛かってな・・・」
「・・・もしかして・・・"初デートだから"プレゼントしてくれた・・・とか?」
「・・・まぁ、そんな処だ・・・」
幸人は照れくさそうに答え、らんるは先程までの怒りも忘れ、満面の笑みを見せた。
「嬉しい!!ありがと、幸人さんvv」
「じゃあ、行くか」
渡す物も渡し、らんるの笑顔も見れたので早速デートに向かおうとする幸人だった。
「あ、待って!ちょっと時間もらっていい?」
早く出掛けたがっていたらんるの思い掛けない言葉。
「別に構わないが・・・どうかしたのか?」
「うん、とりあえず中に入って・・・!」
言われるまま中に入って行く幸人。
らんるは中に入ると床に座り込み、手鏡とコットンを取り出して今着けている口紅を拭き取りだしたのだ。
「せっかく塗ったのに、何をしてるんだ・・・?」
訝し気に聞く幸人に笑顔を向けるらんるは・・・
「幸人さんがくれた口紅を付けて行きたくて・・・♪」
「らんる・・・」
らんるの言葉に笑みを零した幸人は、真新しい口紅を口唇に持って行こうとしている彼女に近付いた。
「貸せ・・・」
「え?」
「俺が塗ってやる」
「 ! 」
当然、驚いた表情を見せたらんる。
「時間に遅れて来たお詫びに・・・」
「クスッ・・・じゃあ、お願いしようかな♪」
らんるの目の前に来た幸人は、膝を立てて、両足の間にらんるを挟み込むように座った。
そして左手をらんるの顎に持っていき、顔を少し上げさせる。
その後、左手はそのままに、幸人は真剣な表情でらんるの口唇に口紅を乗せた。
らんるの口唇は、徐々に、ピュアローズの鮮やかな色に染まっていく。
微かに開けられた柔らかい口唇が、自分の手によって艶やかに潤っていく姿に見愡れてしまった幸人。
そして、そのちょっとした気の緩みが手元を狂わせる事となる。
「あ・・・」
「え・・・なに?・・・もしかして・・・っ?!
あーっ!!はみ出してるぅーーっ!!」
「・・・悪い・・・;」
らんるは再び手鏡とコットンを取り出し、はみ出した部分を拭き取ろうとする。
だがそれは、幸人によって妨げられる事となった。
「なに?」
「俺がちゃんと直すから・・・お前はそのまま黙ってろ・・・」
そう囁いた幸人の口唇が、徐々にらんるへ近付いて行き、はみ出した部分に触れる。
そして微かに口唇を離すと、幸人は舌先ではみ出した口紅をペロッと嘗め取ったのだ。
らんるは驚きと恥ずかしさに、目を見開いたまま・・・。
「・・・は、恥ずかしい事しないでよっ!!」
顔を真っ赤にするらんるはお構い無しの幸人だった。
「・・・口紅って、こんな味なんだな・・・」
「え?どんな味・・・?」
思わず聞いてしまった事を後悔したらんる。
幸人は聞かれた事に対し、口元に笑みを浮かべて再びらんるに顔を近付けた。
「・・・"こんな味"・・・」
深い口付けの後、幸人の顔を見たらんるに笑みが零れる。
「どうした?」
「口紅・・・! 幸人さんにも着いちゃったよ? せっかく着けてもらったのになぁ・・・」
自分の口唇を親指で擦る幸人。
すると親指がらんるの口唇と同じ色に染まった。
その色を確認した幸人はこう言った。
「色が落ちたら、俺がまた塗ってやる・・・
これだって、他の奴からは勘弁してほしいが、お前からなら幾ら着けられても構わないしな」
「ホント?」
「あぁ・・・お前も、この色も、結構気に入ってるしな・・・」
「"結構"!?」
幸人の言葉に口を尖らせたらんる。それを見た幸人は・・・
「・・・お前の事は、"かなり"だった・・・」
「クスッ・・・よろしいっ♪」
笑顔の2人・・・今度は、らんるから幸人にキスを贈る番・・・v・・・
《廉さんのコメント》
ゆうこさんに戴いた口紅のお題… …私、イメージを壊してやいないでしょうか!?(心配…;)
しかも、裏モノになりそうだったので無理矢理切りました(笑)
それでも微妙にアウトっぽいんですが…;(ごめんなさい;)
《管理人より》
先日の青黄祭りでのチャット会でお願いしたSSです。
管理人は小躍りして喜んでおりました。そしてお願いしてUPさせていただきました。
お題的に裏行きなる前に切ってしまわれてしまったとか・・・管理人的には残念(まて)
廉さんの二人はかわいいですよね。管理人には書けないわ(涙)
ありがとうございましたvv