デカレン・一枚上手
「ホージー、ウメコ。これを資料室から持って来てくれ」
ドギーからリストを渡される。ウメコはそれを俺より先に取る。
「ホージーさん、行きましょう」
「・・・だから仕切るなって」
また仕切られた。
ウメコといると調子が狂う。
資料室に入るとウメコは俺を見上げる。
「さ、さっさと集めちゃいましょう。ホージーさんはあっちを探して」
「・・・だから仕切るなって」
俺が仕切ろうとすると彼女は先に俺を仕切る。
彼女は俺の先手を付いてくる。
資料の数はかなり様だ。
そんな事を思いながら資料を探していると彼女の声が俺の耳に入って来た。
「ん、ん・・・・もう・・・すこしなのに」
俺は棚の端から彼女を覗き込むと、棚の上の方につま先立ちになりながら手を伸ばしていた。
・・・・ったく、しょうがないな・・・・
俺は背伸びしているウメコの後ろから資料に取った。
「ほれ」
「あ、ありがとう。ホージーさん」
彼女は首だけ反らし、笑顔で俺を見上げた。
目があってしまった。
なぜだかその笑顔に意識してしまい胸の高鳴りを覚える。
いつもの顔なのに・・・
直ぐに視線を外す。
そして自分でも余計だと思う一言が口をつく。
「・・・ったく、ちびのくせに・・・」
「むっ・・・ちびで悪かったわね」
ウメコは怒って別の棚へと行ってしまった。
・・・ったく、話は最後まで聞け。
高い所は俺に任せろと言うつもりだったのに。
資料ははやりかなりの量になった。
それは俺が両手で抱えなければならないほどだった。
最後にどうしても見付からなかった一つを残して。
しかしその一つが俺が資料をもったとたん、見付かる。
・・・・ったく、こんな時に見付かるんだ。
・・・・これを置く場所もないな・・・仕方ない、これをボスの所へ持って行ってからだ・・・・
その資料を見ながら考えていると、視線の中に彼女の手が入ってきた。
彼女は俺が見ていた資料を取ると、持っていた物の上に置いた。
彼女に視線を持っていくと、笑顔で俺を見上げていた。
「サンキュー」
「いえいえ、さっきのお礼です。さ、早く持って行きましょう」
俺はまた仕切られ、カチンと来る。
「だからな・・・」
「俺を仕切るな!ですか」
「・・・そうだ」
「・・・じゃあ、私にこうしろって言ってください」
「・・・わかった。さっさと行くぞ」
「は〜い♪」
・・・納得がいかない・・・・
・・・結局、最後まで俺は仕切られた・・・
・・・俺のプライドに賭けて、仕切らせない・・・
・・・お前を仕切るのはこの俺だ・・・・
俺は先に行くウメコの後ろ姿を見て密かに誓った。
とうとう手を出してしまいました、デカレン。
まだ、キャラは掴みきれてません