ウメコ争奪戦 その結果は・・・



『ウメコっていいよな』

バンがマイラに振られてホージーのウメコに対する気持ちを知ってか知らずかにホージーに言ったこの一言。
これがバンとホージーにウメコ争奪戦の始まりだった。



次の日、その日はアリエナイザーが出現することなくそれぞれデスクワークに勤しんでいた。

「ウ〜メコ!!お昼一緒に食べようぜ」

座っているウメコの両肩にぽんと手を置き、覗き込むバン。
その様子を見て、苦々しく思うホージー。今にも持っているペンを投げそうな勢い。
そのホージーを見て互いに顔を見合わせ、呆れるセンとジャスミン。

「いいよ!!」
「・・・ちょっと待て!!」

屈託のない笑顔でバンに答えるウメコの言葉を遮る様にホージーはいうとウメコに肩においてある バンの手を払いのける。

「何だよ、相棒!!俺はウメコを誘っているんだぜ」
「お前とは行かせない!!ウメコ、俺と行くぞ」
「え、え、え・・・;」
ウメコはにらみ合う二人に困惑していたが直ぐに笑顔になり、二人の肩に手を置く。

「じゃあ、みんなでご飯食べよ!ね、いいでしょ。センちゃんもジャスミンも一緒に」

ウメコにそう言われてしまえば、何も反論できない。
渋々二人は頷く。
「じゃあ、先に行ってるから。ジャスミンたちもはやくね」

そういうとウメコは長身の二人の背中を押して食堂に向かう為デカルームを出て行った。
残った二人は腕を組んで扉を見つめていた。

「さすがウメコ・・・ネゴシエーターだけのことがある」

センは感心していた。
「今の勝負は引き分け。行きましょ仙一」

感心しているセンに笑顔で声をかけるジャスミン。
「そうだね、茉莉花」

二人は三人を追う様に食堂に向かった。



食事も終わり、それぞれまた自分の仕事へ戻る。
しかしデカルームにはウメコはいなかった。
食堂からの帰り際ウメコは他のみんなに

「私、スワンさんに頼んでおいた物があるから貰ってくる」

そう言ってスワンのところに行ってしまった。
しかしもうそれは一時間も前のこと。

「俺、ウメコのこと心配だから行ってくる」

勢い立ち上がるバン。

「・・・もう行っている人いるわよ」

ジャスミンは手を止めることなくバンに言う。
その言葉にバンはあたりを見回す。

「げっ、相棒がいない」

慌てて飛び出していくバン。その後ろ姿を見てセンが立ち上がる。

「どうしたの?仙一」
「ちょっと参戦してみようかなとおもって・・・」
その言葉を聞いたジャスミンの顔から笑顔は消え、おもむろに手袋を外し、センの胸に手を当てる。

「・・・楽しんできて」

センの心を読んだジャスミンの顔に笑顔が戻るとセンも笑顔になり部屋を出て行った。



バンがスワンの部屋に向かう途中、目に入ってきたのは楽しそうに話すホージーとウメコの姿。
その間の割って入るバン。
「ウメコ、心配したんだぜ」
「あ、ごめん。スワンさんと話し込んでてそうしたらこの荷物を持たされて・・・」

バンがホージーに目をやると手にはダンボール。
バンはそれを奪おうと荷物に手をかける。

「相棒、俺が持つ」
「いいや、俺が持つ」

ウメコの目の前で二人は荷物の取り合いをする。

「二人ともいいよ・・・」

エスカレートする二人を止めようとするウメコ。
そこにウメコにとって救世主が現る。

「ウメコ!二人は置いておいてお茶でも飲もう」
「センちゃん」
センが少し離れたところからウメコに声をかける。
ウメコはすぐさまセンのところに駆け寄りそのまま二人は行ってしまった。
「「ウメコ・・・・」」

呆然と見送る二人。

「仙一の勝ち」

デカルームではジャスミンがふっと笑っていた。



その夜。当直のバンをデカルームに残し、それぞれ自分の部屋に戻る途中ウメコは給湯室に立ち寄った。

『なんだか今日はアリエナイザーを相手するより疲れたな』

と思いつつ、冷蔵庫からジュースを取り出し飲もうとした時

「・・・ウメコ」

後ろから声がかかるとウメコは振り返った。
そこには壁に寄りかかったホージーが立っていた。

「お疲れ様、ホージーさん」
「ああ、お疲れ」
ウメコをじっと見つめるホージー。
ウメコは視線に気付き、飲みかけのジュースを差し出す。

「・・・飲む?」
「・・・いいや」
「そっ」

ウメコはそのまま一気にジュースを飲み飲み干すとゴミ箱に缶を捨てる。

「じゃあ、お休み」

そう言ってホージーの前を通り過ぎようとした時ウメコはホージーに腕を取られ後ろから 抱きしめられる。

「ホ、ホージーさん?」
ウメコは自分で顔が赤くなっているのがわかった。
胸も鼓動も高まる。
ウメコはまわされた腕を外そうと手をかける。
が、ホージーの力は強く外せない。

「ホージーさん、今日変だよ」
「ウメコのせいだ」
「私のせい?」
「ああ、そうだ。お前は俺を変にする」
「・・・」
「・・・・小梅」
「え?」

ホージーが自分の名前を呼んだ。
心の内を見透かされるようで恥ずかしさを覚える。

「・・・・好きだ」
「・・・冗談でしょ?」
「冗談で言えるか。本気だ。あいつになんかにたられてたまるか」
「ホージーさん・・・」
「もう遠慮はしない」

ホージーの腕の力が緩んだ瞬間、ウメコはホージーの方を振り返る。
にっこりと笑いホージーを見上げる。

「・・・・私も好きだよ。宝児さん」
「小梅・・・・」
「でも、誰にも内緒だよ」

ウメコは自分の人差し指を立ててホージーの唇に当てる。
その仕草が愛くるしくホージーはそのままウメコを抱きしめた。


その様子を見ていたジャスミンとセン。

「この争奪戦、ホージーの勝ちね」
「これでやっとデカベースも平和になるよ」

センの言葉にジャスミンはくすくすと笑う。

「じゃ、僕達も早く寝よう」
「そうね、仙一・・・」
「そうだね、茉莉花・・」


こうしてバンとホージーの争奪戦に決着がついた。
敗者は何も知らないうちに・・・。




チャットでリク頂いていていた青桃です。
この話の告白するシーンはちゅらさんに頂いた『本気モード』ような状態です。