初めてのデート
ここは映画館の前。

「遅いな・・・・」

先日お互い心を通わせ、初めてデートをすることになったホージーとウメコ。
しかし、約束の時間を過ぎてもウメコはなかなか現れない。

5分が過ぎ・・・10分が過ぎ・・・・
20分を過ぎた頃にはホージーも限界に来ていた。


『僕達は行けないから、ウメコと一緒に行けよ』

そう言われセンに渡された2枚のチケット。

「どうするんだ?そろそろ始まるぞ・・・」

そんなことを呟きながらチケットを見つめるホージー。

「ごめーん!!ホージーさん待った?」

通りの向こうから走ってくるウメコ。
いつもとは違い、髪を下ろし、耳元で青い小花のピンで留めていた。
その姿に顔が今ままでの怒りを忘れ笑顔になりそうになるがそれを抑えて少しむっとした表情で見つめるホージー。

「遅いぞ」
「ごめんね。ちょっとお風呂に入っていたら・・・」
「また、風呂か・・・」

ホージーが呆れた表情でウメコを見ているとウメコは軽く口を尖らせホージーを見上げる。

「今日は初めてのデートなんだからそんな顔しないで・・・」
「っ・・・・わかった」

その表情でウメコに言われてしまえば何も言えない。

「良かった。じゃ、行こう」
「ああ・・・」

二人は映画館へと消えていった。



映画は悲しい恋の物語だった。
映画も後半に来ると館内のあちらこちらからすすり泣く声が聞えてくる。
ウメコもその中の一人。
ハンカチを片手に落ちてくる涙を抑えながら、映画を見ていた。
隣のホージーなど忘れるぐらい画面に見入っていた。



映画も終わり、館内が明るくなる。

「・・・・いい映画だったね」

映画の余韻に浸りながらウメコは鼻をすすりながら隣のホージーに話しかける。

「・・・・・」

しかしホージーからは返事がない。

「?」

ウメコは気になりホージーの方に向く。

「ホージーさん?」

ウメコがみたのは目を赤くして俯いているホージー。
ホージーはウメコから顔をそらし、立ち上がる。

「悪いが先に出るぞ」

ホージーはウメコを置いてそそくさと外に出て行ってしまった。

「ちょっと待って・・・・もう・・・」

ウメコも慌てて立ち上がり後を追いかけた。



ロビーに出てみたがウメコはホージーの姿を完全に見失ってしまった。

「どこ行っちゃったんだろ・・・・」

ウメコはごった返す人込みの中、あたりを見回していた。

「悪い・・・ウメコ」

肩を叩かれウメコは振り返るとホージーが照れ臭そうに笑っていた。
でも、まだなんとなく目は赤い・・・。

「出るか・・」
「う、うん・・・」

ウメコはホージーに手を引っ張られ映画館を後にした。



数十分後、二人はオープンカフェでお茶をしていた。

ホージーはコーヒーを一口飲むとウメコに謝る。

「さっきは悪かった・・・ああいう映画にはどうも弱くて・・・」

ホージーの言葉をアイスカフェ・ラテを飲みながら聞いていたウメコはにっこりと笑う。

「ううん、ホージーさんの意外な面が見れて嬉しかった」

その言葉にホージーはコーヒーをまた飲む。

「ウメコ、この事は絶対にあいつらに言うなよ」

怖い顔でホージーはウメコに言うが、ウメコはいたずらっぽい笑顔で答える。

「どーしよーかなー」

「・・・ウメコ、頼む」

今度は両手を合わせて頼んでくる。
困ったホージーなんてみたことがない。
ウメコはもっとみたくて意地悪を言う。

「じゃあ、ここでキスして」
「え?うそだろ・・・こんなところで」

目の前は大通りで人が行きかっている。
ホージーはあからさまに嫌な表情をする。

「いいだよ、嫌なら・・・。帰ったらジャスミン達に・・・・」
「わかった、わかったから・・・」

ホージーは意を決してウメコに顔を近づける。
ウメコは近づいてくるホージーの額を指で押さえる。

「冗談だよ、本気にした?」
「・・・・・;」
「さっきかわいいお店見つけたからそこに行こう」
「ウメコ・・・・・;」

ホージーはウメコに手を引っ張れるようにカフェを後にした。



後日、ホージーが映画を見て泣いた事はウメコの何か言いたそうな表情を見たジャスミンに心を読まれ
あっさりばれてしまった。




30000Hitの廉さんからのリクで『プライベートの青桃』でした。
いかがでしょうか?リクに添えてますか?
次回はきっともっと進んでいます。今度こそは・・・・(爆)