一甲の災難?


ここは迅雷の里。

一甲は朝からそわそわと落ち着かない一鍬に声をかける。

「どうした?一鍬」
「いや、その、なんでもない」

いつもの一鍬らしくない答えに気になったが、

「なんでもないならいい」

と深く一鍬を追求しなかった。

しかし、何をしても集中力に欠ける一鍬に業を煮やした一甲は

「ここに座れ!!」

と自分の前に一鍬を座らせる。

「どうしたんだ、一鍬」
「だから、なんでもない」

一鍬の目が泳ぐ。

「ちゃんと答えろ、一鍬」

一鍬はとうとう観念したのか真面目な顔で

「兄者、今日七海に告白しようと思う・・」

一甲は、一鍬の答えに小さく笑う。

「兄者、なぜ笑う!?」
「いや、そんな事かと思ってな・・・」

と笑いをこらえながら答える一甲。

「兄者に言った俺が馬鹿だった。出かけるてくる」
「がんばれよ、一鍬」

一甲は出て行く一鍬の背中に笑顔で声を掛ける。

一甲はしばらく彼らの住処にいたが、弟の将来が掛かっている事に、
いや迅雷流の将来がかかっていることに気づき、一鍬の後を追い駆けた。

一甲が一鍬が七海と待ち合わせをした場所に来てみると、
すでに疾風の2人が茂みの影から様子をうかがっていた。

「お前らも来てたのか?」

一甲は2人の後ろから声をかける。2人はびくりと身体を揺らし、振り返る。

「なんだ一甲か・・・」
「脅かすなよ」
「なんだはないだろ」
「まあまあ、見てみろよ」

と鷹介が指差す方を一甲はみると、熊のようにうろうろと動き回って七海の到着を待っている一鍬の姿があった。

「落ち着かんか、一鍬・・・」

見ていると一鍬が一点に視線を集中すると表情が明るいものに変わった。
3人は一鍬の視線の先を見ると手を振りながら、駆け寄ってくる七海の姿があった。

ちょうどその時

「あ〜ら、そこのいるのはハリケンジャーじゃない?」
「ほんとだ」

後ろから聞きたくない声を聞いて一斉に振り返る。
そこには中忍を連れたウェンデーヌとフラビージョが立っていた。

「「「ウェンデーヌ!!フラビージョ!!」」」

一甲達は身構える。ウェンディーヌは薄ら笑いを浮かべ、一甲たちを睨みつける。

「貴様なぜここに!!」
「あなた達には関係なくてよ・・・おほほほほ・・あら、人数が足りないようだけど・・
 まあ、私には関係ないけど・・・。やれ!!」


同じ頃、一鍬と七海はというと・・・・

ベンチに座ったいいが、恥ずかしさのあまり俯いた一鍬に

「今日はどうしたの?急に呼び出したりして」

と七海は覗き込む。一鍬は意を決したように顔を上げ、七海の手を取り、じっと見詰める。

「七海、お前の事が好きだ!!」
「・・・・一鍬・・・・」

七海は予期せぬ告白に頬を染める。

「・・・・だめか?」
「ううん、だめじゃない」



一甲達に中忍が襲ってきた。しかし、その中忍はあまりにも弱く、3人で片付いてしまった。

「どうした、ウェンディーヌ、フラビージョ。こんな弱い中忍を連れてきて、俺達を倒せると思ってるのか」

鷹介の言葉に吼太・一甲は頷く。

そういわれたウェンディーヌはこめかみに青筋を立て

「よくもやってくれたわね!!今度はわたくし達が相手よ!!行くわよ、フラビ」

ウェンディーヌの横にいたフラビージョはいつもの調子で

「えー疲れる」

と駄々をこね、しゃがみ込む。

「もーいらっっしゃい!!」

と嫌がるフラビージョの手を引っ張リ上げると、ウェンディーヌは一甲に

「ドキュン」
「ドカン」

フラビージョは鷹介・吼太に見舞った。

「「「うわああああ」」」

三人は吹き飛ばされる。フラビージョは鷹介・吼太を集中攻撃し、ウェンディーヌは一甲に攻撃を仕掛ける。

「八の字殺法」
「「うわああ」」

倒れる二人。鷹介はウェンディ−ヌと戦っている一甲に

「一鍬と七海を呼ぼう、一甲」
「いや、まだだめだ。」
「何で?」
「あいつの将来がいや迅雷の将来が掛かってる」
「なんだ将来って?」
「ごちゃごちゃうるさいわね!!」

ウェンディ−ヌのハイキックが一甲の顔面をヒットする。

「うぐ」
「おほほほほ・・・。甘いわねゴウライジャー。フラビ、そっちの坊や達も静かにさせて」
「はーい、再びドカン」
「「わああああ」」

フラビージョの攻撃で力尽きる2人。そこに緑の光弾がやってきた。

「おお、ボーイ達遅くなってソーリー・・・ぐふ」

と名乗りをあげる前にウェンディ−ヌのハイキックが決まり、そのまま倒れてしまった。

「シュリケンジャー!!」

一甲は身構えながらもシュリケンジャーに声を掛ける。



一方、一鍬と七海はまだ手を取り合って見詰め合っていた。
2人は甘いひと時を過ごしていると、一鍬のゴウライチェンジャーが鳴る。
一鍬はしばらくほっといていたが、なかなか鳴り止まないので渋々応答した。

「なんだ、兄者」

そこから聞こえてくるのは切羽詰った一甲の声。

「一鍬、告白したなら早く来い!!ウェンディーヌとフラビージョの攻撃を受けている」
「ああ、わかった。今行く」

一鍬はやる気なさそうに答えて、通信を切る。
そして、七海の顔を見て小さく溜息をつく。

「行くか」
「そうだね」

七海も一鍬の言葉に残念そうに答えた。
2人は恥ずかしそうに腕を組んで一甲達のところへと向かった。



「甘いわよ、ゴウライジャー。」

ウェンディ−ヌから振りかざされた剣を寸前のところでイカヅチ丸で受ける。
圧倒的有利のウェンディ−ヌに一甲は絶体絶命・・・・

その時、ウェンディ−ヌの手にハリケンジャイロが当たり、剣を落とす。

「うっ、誰!?」

ウェンディ−ヌとフラビージョがあたりを見回す。
そこには腕を組み、お互い見詰め合う一鍬と七海が立っていた。

「七海、上手いぞ」
「一鍬に誉められて嬉しいvv」

そんなラブラブな2人を見たウェンディ−ヌとフラビージョは唖然としてた。

「お前ら、いい加減にしろ!!早くこっちに来て戦え!!」

一甲の怒号が飛ぶ。2人はまだ見詰め合ったままで

「行こうか、七海」
「うん、早くやっつけちゃお!!」

2人はウェンディ−ヌ・フラビージョの前に飛ぶと、思いっきりパンチを繰り出す。

「いや〜ん」
「わーー」

ウェンディーヌとフラビージョはパンチの勢いで飛ばされる。
一鍬は七海の近くに寄るとそっと手を取り、

「痛くなかったか?」
「ちょっと痛いけど、一鍬にこうしてもらえるだけで痛みなんてどっかいっちゃう・・」
「・・・七海」

一甲達は2人の会話を聞いてこめかみを抑えていた。
ウェンディーヌとフラビージョが先ほどの攻撃から立ち上がろうとしている所を一甲は見逃さなかった。

「みんな、ビクトリーガジェットだ!!」
「「「「おう!!ビクトリーガジェット」」」」

ビクトリーガジェットを受けたウェンディーヌとフラビージョは

「今度こそ覚えてらっしゃい!!」

と言い残し、消えて行った。

研究所に戻る道すがら、一鍬と七海はずっと腕を組んでいちゃついていた。その2人を後ろから見ていた3人は・・・・

「一甲、大丈夫かこの2人・・・」

疾風の陸忍が聞くと

「俺に聞くな、我が弟ながら情けない・・」

深紅の稲妻が答える。

「なあ、誰か忘れてない?」

と2人に空忍が尋ね、3人は考え込む・・・・

「「「あ、シュリケンジャー」」」

3人は慌てて、走っていった・・・・

その頃、やっと気付いたシュリケンジャーはきょろきょろしながら

「あれ?ボーイ達どこだーーーい?」




いかがでしたでしょうか?
おばかカップルでしょ(笑)