真珠〜一鍬v七海編〜


6月の雨が細かく降る日。
俺は七海と久しぶりに外で会うことなった。
待ち合わせ場所は有名なデパートの前。
七海が雨が降っても大丈夫だからと指定してきた。

俺は待ち合わせの時間の30分も前からそこの場所で待っていた。
雨の日だと言うのにそこは人でいっぱいだった。
俺は人込みが苦手だからうんざりしていた。

そこで、人でいっぱいの軒下を諦め、傘を差し小さなショーウィンドの前に立った。

ふと、視線を後ろに持っていくと、ショーウィンドの中には『六月の誕生石』として真珠が飾られていた。

そういえば、よく女性の涙を『真珠の涙』というな。

七海の涙は確かに『真珠』だな。
しかし七海が泣いた姿はほとんど見た事がない。

俺たちの前ではいつも笑顔で・・・

俺は一度だけ泣いた顔を見ていない。
そう、俺たちがサンダールと共に爆発をしたとき・・・

後から聞いた話では七海はかなり泣いていたらしい・・・

見ていない涙を最後にしよう。

これから先、七海に『真珠の涙』を流させないようにしよう。

いや、してはいけないんだ・・・・俺を選び、愛してくれる七海に・・・。

そう俺が真珠を見ながら心の中で誓っていると

「一鍬、待った?」

と愛しい人の声がする。
俺は俯いていた顔を上げるとガラスに七海の笑顔が映っていた。
俺は小さく笑い、七海の方に振り返り答えた。

「いいや、俺も今来た所だ」






このお2人は『真珠』です。
『真珠』は『苦しみから生まれる』と言われてそうで・・・
本当はそっちの意味で書きたかった気もしますが、思いつきませんでした。何時もながら・・
相談したら「涙では」とアドバイスいただいたので、そちらで書いてみました。
相変わらず、短くてごめんなさい。