桜〜幸人vらんる〜


満開の桜。暖かな優しい風が通る度、ひらひらと花びらが舞い散る。

らんるは傍らに愛車バーディを置き、満開の桜の木の下に座って寄りかかり、
時々吹き抜ける暖かい風を心地よく思いながらのんびりとつかの間の時を過ごしていた。

・・・がさっ・・・

らんるは音のする方に視線を向ける。
らんるからちょうど90度ぐらいの位置に腕を組み、頭を垂れて目を閉じて木に寄り添って立つ幸人がいた。
らんるは視線を戻し、遠くを見ながら話し掛ける。

「幸人さんも来たんだ」
「来て悪いか」
「そんな事無いよ。みんなの桜だから」
「・・・・・・・」

らんるはくすくすと小さく笑う。幸人はその笑い声に不機嫌になる。

「なにがおかしい」
「ううん、ちょっと。ここに来た理由私と同じかなと思って」
「なんだ」
「私ここにいると地元を思い出すの。近くの神社にこんな綺麗な桜の木があってよく遊んだから」
「そうか」
「幸人さんも同じような理由でしょ?」
「まあ、そんなもんだ」
「福岡じゃもう桜は散り始めちゃったけど、函館は?」
「まだこの時期じゃ咲いてない」

「そっかー」
らんるは頭の上で手を組み伸びをし、桜を見上げる。
それにつられて幸人も何時もと変わらない仏頂面で見上げる。
2人はこの時間が止まればと思う。 2人は静かな時間を過ごす。
しばらく経ち、何もしゃべらなくなったらんるを幸人は不思議に思い、声を掛ける。

「おい」
「・・・・・」
「おい!」
「・・・・・・」

返事が返ってこないらんるを幸人は体制を変えず見る。幸人は呆れる。
らんるは幸せなそうな顔で静かに寝息を立てていた。
幸人はそんならんるに苦笑し、その場を立ち去ろうとする。

幸人は2,3歩離れると、らんるのほうに振り返る。
そして、幸人は自分のジャケットを脱ぎ、すやすやと寝ているらんるに起こさないように
そっとジャケットを掛けると、パンツの後ろポケットに両手を入れ、その場を立ち去る。

らんるは春の陽気と幸人の優しさに包まれて静かに眠る。




いかがでしょう〜?この2人の雰囲気ってこんな感じ。