対決


あの日以来、幸人はらんるを一人にすることはなかった。
店の外に出る時はいつも一緒だった。

幸人はできるだけらんるの傍にいた。
しかしあの事件の事を知らない凌駕とアスカは不思議に思っていた。が合えて口には出さずにいた。

その日、幸人はどうしても行かなければならない用事があった。
しかし、らんる一人にするのは不安だったため、幸人はらんるを自室に呼び出していた。

「今日は店から絶対一人で出るな」
「・・・・え、でも・・・」

少し渋るらんるの肩を両手で掴み幸人は真剣な眼差しでらんるを見る。

「・・・お願いだ・・・心配させるな・・・いいな、何かあったらすぐに連絡しろ」

「・・・うん、わかった・・・」

らんるは心配してくれる幸人が嬉しくて目一杯の笑顔で幸人に応える。
二人は店に行くと、幸人は凌駕に

「行って来る」

だけ言って扉を開く。
そして幸人は後ろ髪を惹かれる思いで店を出て行った。


用事も済み、幸人は恐竜やへと家路を急ぐ。
とりあえず連絡がなかった事で安心をしていた。
『早く戻ろう』と思っていた幸人の足を止める事が起きるとはその時は知らなかった。

歩いている幸人の前に壬琴が舞い降りた。幸人はとっさに身構える。

「やあ、今日は彼女とは一緒じゃないのか」
「貴様に言われる筋合いはない」
「ふふふ・・・残念だな。お前がいればあの娘もいると思ったのに・・・」
「失せろ!!」
「じゃあ、今日はお前からもうひとつ大事な物でももらっていくか・・・」
「何を!!」

壬琴は不敵な笑みを浮かべながらダイノブレスを口に近づける。

「来い、ステゴスライドン」
「い、今なんて・・・」

幸人は自分の耳を疑った。
『今、確か・・・』と思っていると、地響きを立てながらステゴスライドンが壬琴のそばへとやって来た。

幸人は驚きの表情を浮かべる。

「・・・・なぜ・・・なぜステゴが・・・おい、ステゴ目を覚ませ」

しかし幸人の呼びかけにステゴスライドンは何も応えない。

「ふふふ・・・こいつはもう俺のものだ・・・・今度はお前のトリケラでも頂こうか」

壬琴はにやりと笑う。幸人の怒りは頂点に達していた。

「ふざけるな!!貴様にトリケラを取られてたまるか!!爆竜チェンジ」

幸人はアバレブルーに変身するとアバレイザーで壬琴を撃ち始める。
壬琴は幸人の攻撃を難なく避け、アバレキラーへと変身する。

「楽しもうぜ・・・アバレブルー・・・」

二人の戦いは始まり、ややキラー有利に展開していく。
倒れた幸人にキラーは剣を振りかざすがアバレソードで受ける。
が力の差で追い込まれていく。

「アバレイザー!!」

キラーの剣を持つ手にあたる。
キラーが振り返るとそこには変身したらんるが立っていた。

「幸人さん、大丈夫!?」

らんるはアバレイザーを構えながら幸人の傍に寄る。

「・・・大丈夫だ」
「・・・・やっときたね。俺の愛しい人・・・」

キラーは両手を広げ、幸人をかばっているらんるへと近づく。

「こないで!!」

らんるはアバレイザーをキラーに向かって撃つ。
キラーは後ろへとジャンプをしてその攻撃を避ける。

らんる達が見るとアバレキラーはステゴスライドンの頭の上に立っていた。

「今日のところはこいつを頂いていくよ。ブルー、今度は彼女を貰い受ける。はははは・・」

キラーはステゴスライドンと共に消えていった。

らんるは構えていたアバレイザーを下げ変身を解くと、幸人の方に振り返り立ち上がろうとしてる幸人に手を貸す。

「大丈夫?」
「俺に触るな!!」

幸人はらんるの手を振り払と近くにあった塀に寄り掛かると自分のふがいなさに唇をかみ締めこぶしを打ち付ける。
らんるは幸人に声をかけられずただ見ているだけだった。


暫くして幸人が落着いたのを感じたらんるは声をかける。

「幸人さん・・・・」
「・・・・もう大丈夫だ」

幸人はらんるを腕を引き寄せ抱きしめる。

「どうしたの?」
「・・・・お前じゃなくてよかった」
「え?」
「・・・・もしこれがスデゴじゃなくてお前だったら思うと・・・」

幸人はらんるを抱きしめる手に力が入る。
らんるも応えるように腰にまわしている腕に力をこめた。


「帰ろ、幸人さん。みんなの所へ」
「・・・ああ」
「みんなでステゴを取り戻そう、ね」

幸人はらんるの言葉に頷く。
心の中の壬琴への憎悪は今まで以上に大きくなっていた。


この事件のすぐ後、キラーオーが出現した・・・・




第3弾です。次回のお話の私的解釈