竜之介登場
次の日の朝、幸人はいつもの様に朝食をとる為、店に下りてきた。
いつもと同じ風景。凌駕とアスカがせわしなく朝食の準備をしていた。
しかしそこにはらんるの姿はなかった。
「らんるさん、どうしたんでしょう。いつもならもう起きてくる時間なのに・・」
アスカはいつもならいるらんるを心配する。凌駕は介さん出されたお茶を飲んでいる幸人に
「三条さん、らんるちゃん呼んで来てくれませんか?」
と頼む。幸人は無表情のまま、答えなかった。
・・・原因を作った俺がいけるはずないだろう・・・
「三条さん!三条さん聞いてます?」
凌駕の何度もの問いかけに重い口をやっと開く。
「・・・悪いが俺は行かない。勝手におきてくるだろう」
と新聞を読み始めた。その姿を見たアスカと凌駕は顔を見合わせる。
「私が行ってきましょう」
カウンターの中にいた介さんが突然口を開く。驚いた凌駕は竜之介を見ると
「いいですか?」
「いいですよ。皆さん先に食べていてください」
竜之介は困惑している幸人の顔を見るとにっこりと笑い、らんるの部屋へと向かった。
らんるはまだベッドの中にいた。昨晩の幸人の言葉にショックを受けて起き上がれない。
体中の力が抜けてしまったように感じていた。
『・・・関係を続けるのはやめよう』
幸人の言葉が頭の中を駆け巡る。
今まであんなにやさしかった幸人から聞いた残酷な言葉・・・・。
『・・・いずれわかる』
らんるが幸人に別れの理由を聞いた時に返ってきた言葉。
らんるにとっては答えになっていない言葉・・・
『嫌い』という言葉をはっきり言ってくれた方がまだ諦めがつく。
あいまいな言葉・・・らんるの頭をますます混乱させる。
・・・ぴんぽん・・・
部屋のチャイムがなる。しかし、らんるは頭から布団をかぶり無視をする。
・・・ぴんぽん・・・
「らんるちゃん、開けてください。竜之介です」
らんるは声を聞いて頭を布団から出し、玄関のほうを見る。
「・・・なんで介さんが?」
らんるは驚いて、起き上がると玄関を開ける。そこにはやさしく微笑む竜之介が立っていた。
「どうしたんです、らんるちゃん。みんなが心配してましたよ」
らんるは竜之介の顔を見るとほっとしたよう表情になりに竜之介に抱きつき、泣き始めた。
抱きつかれなかれた竜之介は
「どうしたんです?さあ、涙を拭いて部屋に戻って話を聞かせてください」
らんるにやさしく微笑む。らんるも顔を上げ頷き、竜之介を部屋に上げた。
私のSSとしては珍しく介さん登場です。
やはりこういう話は年の功で