若さではわからないこと


らんるは竜之介を自分の部屋に上げると、テーブルの前に座らせる。

そして自分は竜之介の向かい座り、突然幸人に言われた事などを話しはじめた。

「突然別れようと言われても理由がわからないんです」
「幸人君に理由はきいたんですか?」
「・・・でも『いずれわかる』って・・・」

竜之介はらんるからその言葉を聞いてしばらく考えこむ。

竜之介は突然にっこりと笑い、らんるを見る。らんるはその笑顔を不思議そうに見る。

「幸人君は言葉が足りませんね・・・」
「介さんにはわかったんですか?幸人さんの言葉の意味が・・・・」
「多分、そうだろうと思いますよ・・・」
「教えて下さい!!」

らんるはテーブルの向かい側から身を乗り出して竜之介に迫る。

迫られた竜之介は体を仰け反らせながら

「まあまあ落ち着いて・・・幸人君に聞いてみないとこればかりはね・・・」

にっこりと笑いながららんるに答える。らんるもその笑顔で落ち着きを取り戻し、乗り出した体を元に戻す。

「今日はこのまま部屋にいていいですよ。皆さんには適当に言っておきますから・・・彼と顔をあわせるものつらいでしょ?」

らんるは竜之介の言葉にこくりを頷く。

「あとで朝ごはん持ってきますね」

そう言うと竜之介は立ち上がり、らんるの部屋を出て行った。


竜之介がらんるの部屋から出て、店に戻ってみるとそこには食事も終わり凌駕は舞を保育園へ送り届ける為すでに外出し
アスカと幸人が掃除などして開店の準備をしていた。竜之介に気づいたアスカは

「らんるさん、どうしたんですか?」

と心配そうに竜之介に尋ねる。

「ちょっと頭が痛いそうです。今日はお店お休みして、横になるそうです。後で食事を持っていきます」
「では、私が持って・・・」
「幸人君にお願いしましょう」
「なっ、なんで俺が・・・」
「アスカ君には別に頼みたいことがあるので・・・アスカ君これを駅前のスーパーで買ってきてくれませんか?」
「は、はあ・・・」

アスカは竜之介に買い物リストらしきメモを渡され、スーパーに向かう為店を出て行った。


店には竜之介と幸人の二人きり。竜之介はカウンターに入り、らんるの食事の準備をする。
幸人は掃除が終わり、何もすることがなくカウンターに座る。

竜之介は下を向いていた顔を上げ

「幸人君、少し話をしませんか?」

とコーヒーを出す。幸人は不審に思いながら

「・・・ああ」

と一言言って出されたコーヒーを飲む。竜之介は手を休めることなく

「幸人君、らんるちゃんに別れようとって言ったんだって?」
「あ、あいつが言ったのか?」
「そうですよ、呼びに言ったら突然泣かれてしまって。それで理由を聞いたんです」
「・・・おっさんには関係ないことだ」

幸人は言い終えると持っていたコーヒーカップとがちゃっと下ろす。

二人の間に流れる沈黙。

しばらく沈黙が続いたころ、先に竜之介が口を開く。

「・・・・らんるちゃんの為ですね」

俯いている幸人の指先がびくりと動く。しばらくの沈黙の後、幸人は重い口を開く。

「・・・そうだ」




介さんがんばるの巻です。